3DS『ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて』の感想レビュ。良かった所・面白かった所、不満点などをまとめた。
※中盤、レベル25時点でのレビュー
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて ニンテンドー3DS™版プロモーション映像』
良かった所・面白かった所
懐かしさを感じる世界観、街の風景。
もっぱら2Dモードでプレイしているのだが、このBGM、世界観のチープさこそがドラクエなんだとしみじみ感動させてくれる。
・ランダムエンカウントの緊張感やダンジョンを見渡したときに取れそうで取れない宝箱や、行けそうで行けない大陸など、このイライラとワクワクの絶妙なバランスがドラクエ。そして鍵を手に入れたときの世界の開け方は未だに鳥肌が立つ。
・不満点などでも書いたのだが、キャラクターデザインが個人的には好みではなかった今作においてそのマイナス面を完全にカバーしてくれる2Dモード切り替えはかなりありがたい。やはり「ドラクエはドット絵」というプレイヤーも多いその願望をほぼ100%叶えてくれた制作陣には感謝の言葉しかない。
・オカマキャラ・シルビアが意外?にも良い味を出している
キャラクターデザイン発表の時は1番がっかりしたキャラクターでもあるシルビアが冒険の良いアクセントになっていて今作1番のキャラクターかもしれない。おどける時はおどけ、バシッと決める時は華麗に決める。見た目だけではまるでわからない、芯のある言動の数々にプレイを進めるたびにシルビアを好きになっている自分がいた。
・主人公が最高に無個性
最近のRPGや伝的な位置づけのドラクエヒーローズは主人公がイキリ倒して目立って鼻につき、まったく感情移入できず他人の物語をなぞっているだけでイマイチハマることができなかったのだが、今作では帰ってきた「喋らない主人公」。良くも悪くもなにを考えているかわからず、選択肢の「はい」「いいえ」以外はまったく喋らないのだがこの主人公=自分という感覚こそがドラゴンクエストの醍醐味なんだと再認識。
・レベル上げの必要がない
これも賛否両論なのだが、3DモードやPS4版のシンボルエンカウントをメインに据えているせいかランダムエンカウントの2Dモードではガツガツ敵がエンカウントするのでもりもりレベルが上がりメタル狩りなどをする必要がないほどレベルが上がりやすい。そのぶん雑魚敵との戦闘が多くなるが、元々2Dモードのほうが戦闘のテンポが良いためクリアかかる時間はそれほど変わらない。
・良くも悪くも戦闘にメリハリを与えるゾーン&連携システム
数回バトルをこなすと「ゾーン」というキャラクターが一時的にパワーアップした状態で戦うことができる。ゾーンは戦闘後も一定時間続くのでその間はかなり有利に冒険を進めることができる。また、ゾーン状態に入ったキャラクターが複数いることでそれぞれ連携技が使えるようになる。効果は大ダメージを与えるものやステータスを上げるものまで様々で(クロノ・トリガーの合体技をイメージしてもらえるといい)、それによってどのキャラクターがどの連携技を使えるのか?というワクワク感とボス戦などで効果を発揮したときのカタルシスは今までのドラゴンクエストになかった要素だと言える。
悪かった所・不満点など
・キャラクターデザインがイマイチ。
鳥山明の描く個性豊かなキャラクターは良くも悪くも人を選ぶ。個人的には歴代のドラゴンクエストのなかでも1番キャラクターの外見に魅力が感じられないのが今作なのでは、と思った。どこかどう、とかではなく、敵キャラクターも含め全体的にチープな印象を受けた。
たまに3Dにしたときに味方・敵キャラクターや街の住人のデザインがこんなにもダサかったのかと驚愕する。(例えば綺麗な女性だなと思い3Dモードにすると太ったおばさんだった、など)
・ヨッチ族というヒヨコのようなモンスターを世界各地で集めて挑戦する『時送りの迷宮』という新要素があるのだがとにかくテンポが悪い。(探索を進めることで過去のドラクエシリーズの世界のイベントを追体験できる『冒険の書の合言葉』が手に入る)
ヨッチ族は戦闘で死ぬか探索をやめるといなくなってしまい、新しいヨッチ族をスカウトしなければならない、というのもリズムを悪くしている。戦闘も単調でヨッチ族はそれぞれの色によって特技などが異なるのだが、無駄に戦略性を要求されるのでさっさと冒険の書を手に入れたいプレイヤーにとっては苦痛でしかない。オートラン機能である程度放置プレイでも進むことができるのだが、自分で操作しなければ開けることのできない宝箱などがありその都度手動操作をしなければならないのも☓。
・このサイトをはじめ攻略サイトの数が尋常ではないのでどこでどう致命的案ネタバレをされるかがわからず気が抜けない。
・個人的には3D操作は戦闘のテンポが悪く、シンボルエンカウントなのでレベル上げの効率も悪くおすすめしない。キャラクターが全体的に不格好なのもマイナス。
・賛否両論あるが2Dモードはいわばドラクエ5とドラクエ6の中間くらいのグラフィックでドラクエ3(リメイク)には圧倒的に劣る。敵モンスターの戦闘アクションはない。移動速度もドラクエ5よりは速く、ドラクエ3、6よりは遅い。
・もちろんイベントも2Dなので過去作と同じく、良くも悪くも淡々とした印象を受ける。3や6であったような暖かみはそれほど感じない。(それでも個人的には好き)
・2Dモードでも完全2Dというわけではなく、装備変更画面などで3Dに戻るのでそこで少し冷める。そしてキャラクターが本当にダサい。
・職業システム・仲間モンスターシステムがない
これも賛否両論だが個人的にドラゴンクエストシリーズの醍醐味でもある職業、仲間モンスターシステムは採用してほしかった。キャラごとの個性が失われるという点ではたしかにマイナスなのだが、それによって自由度が失われる結果になった。
・ゾーン・連携は便利なのだが、強力すぎて一部のボス戦などではまったく苦戦することがなく緊張感がなくなる。戦闘の難易度としてはやはり過去作に比べると低い。
総評
相変わらずのドラクエ、相変わらずの面白さ。基本的にストーリーは一本道で職業システムや仲間モンスターシステムがないため自由度は低い。スキルパネルシステムである程度の差別化は図れるものの、その点においては5、6、7に軍配はあがる。
しかし、8から導入されたスキルパネルシステムはレベルでの成長以外にも自分のお気に入りのキャラクターが強くなっている実感が持てるので個人的には意外にも好感触だった。連携もクロノトリガーを彷彿とさせ、組み合わせ毎に多くの連携技があるので面白い。
最新の技術とグラフィックで新しいドラクエの世界観を楽しみたい、と言う人にはPS4を手軽さと懐かしさを兼ね備えた古き良きドラクエを堪能したいと言う人には3DSを、個人的には最新作を2Dモードでプレイできる3DS一択。
まだまだ中盤で過去作と比べてどうという話はまだできないが、確実に「あの頃夢中で遊んだドラクエ」はここに存在するのでファンならぜひ。
【3DS】ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて |オンラインコード版 (早期購入特典「しあわせのベスト」「なりきんベスト」を先行入手することができるアイテムつき)
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2017/07/03
- メディア: Software Download
- この商品を含むブログ (1件) を見る
Newニンテンドー2DS LL ドラゴンクエスト はぐれメタルエディション
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2017/07/29
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ニンテンドー3DS版 ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて 公式ガイドブック (SE-MOOK)
- 作者: スクウェア・エニックス,スタジオベントスタッフ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2017/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る