PS Vitaで発売されたホラーゲーム『死印』の感想とレビュー。良かった所・面白かった所・不満点など。
良かった所・面白かった所など
死の刻印「シルシ」を持つものは死ぬ、という怪奇な噂が広まった街で記憶を失いシルシが刻まれてしまった主人公が『九条館』という謎の館で様々な恐怖と戦いながら生への道を見出していく、というストーリー。
・怪異のビジュアルを見てもらえばわかるように、このジトッとした気持ち悪さはホラーゲームのなかでも異質。とにかくキャラクター、舞台(廃校・樹海など)、シナリオの空気感が良い意味で気色悪くじわっと手に汗握るような怖さを楽しむことができる。ストーリー展開も序盤で感じた違和感を後半に回収する手法は見事としか言いようがなく、シナリオライターの手腕を感じる。ラストの主人公には思わず背筋が凍った。
・たまに唐突に挟まるエロシーンが良い
・ちゃんと体験版の意見を元にパッチが配信されていることが決定しているのは好感を持った。(バックログ昨日の追加、テキストの明るさ調整、メッセージのオートスキップ昨日の追加、“怪異スポット”での移動速度の調整、『デッドリーチョイス』発生時の演出時間の調整など)
悪かった所・不満点など
・ホラーゲームではあるものの謎解き要素はほぼなく勘頼りになる場面も多い。例えば選択肢が複数用意されていて、正解を選ばなければ死ぬ、というもの。事前に得た情報を元に答えが導き出されるかと言えば、情報を集めるのに手間がかかる部分が多く、されであればさっさと選択肢を選んで進めてしまったほうがいいと思うことも多々あった。それゆえに何度も死を繰り返して少しずつ進む、という形を強いられることになる。
・プレイ時間的に言えば10時間もあればじゅうぶんクリアできてしまうレベルなので良く言えばサクッと楽しめる、悪く言えばボリュームが足りないと感じた。
・やりこみ要素もほぼ皆無
総評
良かった点で記述したとおり、『死印』という作品全体の雰囲気は極上のものがある。よくここまで作品を彩るあらゆる要素と世界観をマッチさせられたな、とプレイして関心してしまうことも多々あった。ただ、やはり残念だったのは、そんな素晴らしい雰囲気を壊しかねないような選択肢システムだ。正直、「ゲーム」としての出来は手放しで賞賛するほど良くはない。不満点でも述べて、他サイトのレビューでも多く見られたが結局は選択肢を選ぶ決め手となるのは「勘」だ。「勘が外れて主人公が死ぬ→選択肢前に戻る→違う選択肢を選ぶ→また外れて死ぬ→違う選択肢を選ぶ→正解して先に進む」というパターンがあまりにも多い。ちゃんと情報収集をすればある程度は「予測」は立てられるものの、(あくまで個人的にはだが)ペルソナやダンガンロンパほどの情報収集の面白さはなかった。
万人受けするゲームではないが、ストーリーの短さやフルボイスではない分なのか、値段も手頃で、コアなホラーマニアや絵師が好きな人にはおすすめできるゲームだと思った。
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